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サン=テグジュペリ、母の死についてなど [田舎のこと・母のこと]

サン=テグジュペリが、『人間の土地』という本の中で、奇しくも母の死の意味というか彼なり見方を書いていた。
「・・・ぼくは一度、母の臨終の床に侍した三人の農夫を身近に見たことがあった。もとよりそれは痛々しくはあった。二度目の臍の緒が断ち切られるわけだった。一つの世代を他の世代につなぐ結び目が、二度目に解けるわけだった。この三人の息子たちは、今や孤独の(ママ)自分たちを見いだしたわけだった。・・・」
(堀口大學訳、新潮文庫より)

二度目の臍の緒が切れる、か。僕にとってはとてもすっきりと腑に落ちた。いままでの自分自身の心持ちを振り返って、たしかにそうした孤独を感じていたのだと思う。
この本の中でサン=テグジュペリは愛についても書いていて、その言葉は以前から知っていて好きなのであわせて。

「・・・愛するということは、おたがいに顔を見あうことではなくて、いっしょに同じ方向を見ることだと。・・・」
(同上)

この本には他にも心にしみることばがたくさんあったが割愛。サン=テグジュペリは砂漠に墜落して、同乗していたプレヴォーとふたりして生と死の稜線をさまよったことも書いてあって、もちろんその出来事は『星の王子さま』につながってゆくことになるね。

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