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なまはんか心理学(6)かなりピンぼけ [カウンセリング・心理のこと]

宿泊施設の小さな風呂の洗い場で、諸富先生※と隣り合わせになった。シャンプーを手に出しながら諸富先生はこんなことを話しかけてきた
「すとうさんは、ゲシュタルトがいいですよ、ゲシュタルト」
以前にも何度かお会いしたことがあったので、名前を覚えてくださっていた。
「ゲシュタルト?ですか?」と僕。
諸富先生
「そうそう。合うと思うよ、きっと」
「そうですか・・・」
それだけの会話だった。伺いたいことはたくさんあったが、そのあと頭をごしごししてシャワーで洗い流して、なんとなくそれからの続きを話す感じでもなく、そのままになった。諸富先生は僕のどういうところを見てゲシュタルト(療法)が向いているとおっしゃったのだろうか。諸富先生はそんなことは忘れていらっしゃるだろうが、いまだに謎は残されたままだ。

ゲシュタルトの話しを書くつもりではなかった。(すでにピンぼけだ・・・)
あれは諸富先生のフォーカシングの研修会※に参加したときのことだった。フォーカシングといっても写真の研修会ではない、心理の世界のことだ。

フォーカシングというからには焦点を合わせるということになるけれども、じゃあ何にどこに焦点を合わせるかというと、自分の体の「何か意味のある体の感じ」に意識を合わせる、ということになるのかなと。たとえば、顔が火照る、といってもかんかん照りの下を歩いて顔が火照るのと、好きな女の子の前で顔が火照るのでは意味が違ってくる。後者の方は心の動きと関係するわけですよね。
ユージン・ジェンドリンがこのフォーカシングという技法を考えたのだけれども、カウンセリングをしてゆくうちに、治療的効果が現れる人、全く変わらない人がわかるようになったというのがそもそものヒントだったようで、そこを注意深く見てゆくと、効果が現れる人は体も何かしら反応していることに気づいた。じゃあ逆にそこをとっかかりにして心の声を聞くことはできないかと考えたわけです。つまり、「顔が火照っている」ということに焦点を当てて注意深く意識を向けてゆくと「この子のことが好きなんだ」と気がつく、そう考えたわけです。
そして、それを体系化したのが、今のフォーカシングということになるのかなと理解しているのですがどうでしょうか。

埼玉の閑静なところ(田舎ともいう)にある宿泊を兼ねた研修施設に一泊二日。
一日目の研修が終わり、夜は和室で諸富先生を囲んでの楽しい宴会が始まった。諸富先生は風呂にも入ってさっぱりとし、服装も楽な感じでビールから始まった。ほろほろと酔いがまわり始めると、諸富先生があのお人柄で受講生にカウンセリングのまじめな話しを折りませながらも楽しい話しを連発してくれるから、ちょっとまじめになったかと思うと爆笑に次ぐ爆笑の大盛り上がり。お酒が足りなくなって、誰かが寝酒に買っておいたウイスキーを提供したり。研修会場と宿泊するところが同じところという気楽さから、酔いのまわりがまたいい。大盛り上がりの宴会は延々と続いた。

二日目、研修室でおはようの挨拶と一緒に目を合わせると、夕べは楽しかったね・・・、という表情になるが、だれもが疲れ気味な感じは否めない。
セッションが始まった。フォーカシングでは、実際に自分の体に焦点を当てる人(フォーカサー)とそれを聞きながらサポートする人(リスナー)が二人ひと組になっておこなわれることが多いが、そのような形での演習が始まった。二人ひと組になって研修室に散らばっていすに座る。たまたま僕が座った位置からは、研修室全体が見えた。

僕の目の前のフォーカサーは目を閉じて、ゆっくりとフォーカシングを始めた。
片手が胸の中央あたりに触れ、
フォーカサー「このあたりに少し違和感が・・・」
リスナー「胸のあたりに違和感が・・・」
(間)
フォーカサー「そう、なんていうのかな・・・。むかむかする感じっていうのかな・・・」
リスナー「むかむかする感じ・・・」

僕の頭にはハテナが浮かんだ。フォーカサーへ意識をそのままやりながらも、ちらと部屋を眺める。胸に手を当てている人が多いようなのは、気のせいではない。
むかむかする感じ?二日酔いにピントが合っている・・・ってこと?
役割を交代して、今度は僕がフォーカサーをやる。静かに体に意識を持ってゆく。
しばらくして、僕も胸のあたりに違和感を・・・。僕はあきらかに二日酔いだった。そして、動きの悪いオートフォーカスは胸のむかむかに焦点を合わせようとする。
人生に意味のないことなど起こらないともいわれるが、このかなりピンぼけフォーカシングにもまた意味があったのだろう。と思うことにしよう。・・・それにしても楽しい宴会だった。
ジェンドリン先生、諸富先生、こんなフォーカシングですいません。












※諸富祥彦先生
http://morotomi.net/
http://ja.wikipedia.org/wiki/諸富祥彦

※埼玉カウンセリングセンター主催の研修会だった。ここが開催する研修会はリーズナブルな料金でいいものが多いのでよく参加していた。
http://npo-scc.jp/
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