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みずうみコレクション(1)前書き [旅のこと]

僕は海から遠く離れた盆地の町で生まれ育った。
生まれて初めて海をみたのは、いつかは覚えていない。
高校生くらいからだろうか、海に対するあこがれは強くなったように思う。それが理由で海岸沿いにある市の大学に行ったわけではない。(入ることができるところが限られていただけだった。その大学でなければ琉球大学を受けるつもりだった。……関係なかった)
その市には港もあったが、千代の浦という浜があって、・・・それもコレクションしているので、いずれ書く機会があるかもしれない。
気がついたら、という言い方で大きく間違いはないと思うのだが、海や湖や川の、そういった水たまりの仲間のようなものを、心の中でコレクションしていた。メモしておいたわけではないし、ただ思い出・印象としてなんとなくコレクションしていただけが。
それをいつからか僕は「ミズウミ・コレクション」と名付けていた。

コレクションの趣味はない。といいながらも海外から帰るときに、その国の使いそびれた小銭を持って帰って何となく集めている。その国の文字で書かれているものは、ほとんどどの国かわからなくなっている。ブータンの神社で古銭を拾って、ガイドのにーさんにどうしよう?と聞いたら、「大丈夫、もらっときな」といわれ、そのままもっている。この一枚も布袋の中に混じってある。
外国の切手を少し。国によっては全くおもしろくないが、チェコスロバキア(当時)の絵柄の素朴さと紙質の悪さ、それに吐きそうになるくらいの質の悪いのり。そんなこともコレクションしていた。
それから、エアラインのシルバーも集めていた。今はどの航空会社もファーストクラスは別にして、フォークとナイフはプラスチック製だとか聞いた。もう二度と乗ることのないエアラインのシルバーもだいぶ持っていたが、以前沖縄に引っ越したときに友人に分けて手元にはほとんどない。誤解ないように付け加えると、勝手に持ってきたのではなく、ちゃんと了解をもらって頂戴してきたものばかりだ。

僕のミズウミ・コレクションは、たとえば埃をかぶったジュークボックスのようなものだ。何かの気まぐれで針を落とすことがあると、ひとりその時代のその世界に帰ってゆくことができるような、僕にとってはそのようなものかもしれない。
久しぶりにコインを入れて……。まだ動けばいいのだが。






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