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なまはんか心理学(11)河合隼雄先生、魂を語る [カウンセリング・心理のこと]

私自身は、魂についてのオリジナルな考えを持っていない。
河合隼雄先生が言ってらっしゃることを書こうと思う。
下記、引用

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無限の直線は線分と1対1で対応するんですね。部分は全体と等しくなる、これが無限の定義です。だからこの線分の話しが、僕は好きで、この話から、人間の心と体のことを言うんです。線を引いて、ここからここまでが人間とする。心は1から2で、体は2から3とすると、その間が無限にあるし分けることもできない。
(2の次の数は、2.0000000000000000000………… 、無限なので表記できないわけですね)
分けられないものを分けてしまうと、何か大切なものを飛ばしてしまうことになる。その一番大事なものが魂だ、というのが僕の魂の定義なんです。
お医者さんに、魂とは何ですか、と言われて、僕はよくこれを言いますよ。分けられないものを明確に分けた途端に消えるものを魂というと。善と悪とかでもそうです。だから、魂の観点からものを見るというのは、そういう区別を全部、一遍、ご破算にして見ることなんです。障害のある人とない人、男と女、そういう区別を全部消して見る。
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『生きるとは、自分の物語を作ること』(新潮社)河合隼雄、小川洋子対談集からの引用。
河合先生は元々数学を専攻していた。小川洋子の作品に『博士の愛した数式』というのがあって、そんなことがご縁になっての対談だったらしい。
生きているものは、ある瞬間に生を受け、必ず死を迎える。その間の時間はある点からある点の間の線分と同じように始まりと終わりというか端と端がある。閉鎖された時間ということがいえる。
しかし、「無限の直線」が「線分」と「1対1」で対応するということは、限られた生の時間は、無限の時間と1対1で対応できるのではないだろうか。
現実には人生は有限なので、理屈といえばそうであろうし、詭弁といえばそうであろうと思う。
しかし、人生の瞬間瞬間に意味を感じ無限を感じ、あるいは深い愛を感じながら生きるとすれば、あながち詭弁とも言えないだろうと思う。

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