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なまはんか心理学(12)オープンダイアローグ [カウンセリング・心理のこと]

オープンダイアローグというのは、フィンランドで実践され始めている精神科治療(主に統合失調症)のための技法で、堅苦しくいうと「急性期精神病における開かれた対話におけるアプローチ」というものらしい。ダイアローグとは対話という意味。
フィンランド全国でおこなわれているわけではなく、特定の病院だけでおこなわれている。病院に依頼の電話が入ったら、電話を受けたものが担当者になり治療チームを作り(病院内で医師とか看護師とか心理士をかき集めるらしい)、24時間以内に初回のミーティングをおこなう。(クライアントの自宅に医療チームがみんなして押しかけることが多いらしい)
ミーティング全体のメンバーは、本人(クライアント)と本人に関わる重要な人なら誰でもよく(家族・親戚・ソーシャルワーカーなどなど)、毎回そのメンバーでミーティングがおこなわれることになる。
このミーティング(話し合い)は、クライアントをどこかへ導くためのものではなく(つまり「治療」という概念でクライアントと対応しない)、「専門性を持ちながらも平等に話す」というだけのもの、なのだそうだ。クライアントの言葉をさまざまな方向から受け止め返してゆくので、効果はめきめきと現れているらしい。
この療法は国立の病院だからできるのだと思うが、人材、経費ともにたいへんだろう。
オープンダイアローグでは、統合失調症の方をおもなクライアントとしているので、話しの中では妄想なども当然出てくる。そうした妄想なども、カウンセリングとしては当たり前のことだが否定することなく丁寧に聴いてゆく。
基本はそのようなことで、つまり「みんなで傾聴!」ということになるように思うがどうだろうか。最新の情報はわからないが、日本では統合失調症には(一般的には)カウンセリングは逆効果でよくないと言われているので、オープンダイアローグとは全く反対のことをしていることになる。
じつは、知りあいのカウンセラーでも、ごく普通に統合失調症の方にカウンセリングをしていて、効果を出しているという。
オープンダイアローグのことを読むと、人は自分の心を聞いて欲しいのだということを改めてつくづく感じる。それから、グループダイナミズムのパワフルさを。
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