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海外ひとり旅の事件簿(7)カイロのレシート偽造屋 1/2 [旅のこと]

クフ王のピラミッドに登ったことについてはすでに書いた。
このときの旅は、ピラミッドのてっぺんに登って記念写真を撮ることが目的だったから、それが達成された時点で、まっすぐに日本に帰ろうと思っていた。何よりもお金に余裕がなかったし、それに、疲れていた。
ということで、帰りの安チケットを探すことが懸案事項だった。

カイロのどの辺りに泊まっていたのか全く覚えていないが、町中のやかましいところにある大きな安宿に泊まっていた。
そこには日本人もよく泊まるのだろうと思うが、オーナーか雇われの番頭かわからないが、背の高い斜視の中年オヤジが、僕がレセプションを通るたびに「日本の女の子はと~ってもかわいい!!」とアラビア語と英語を混ぜこぜにしていうのだった。笑い過ごして聞いていたが、通るごとに必ず聞かされ、いい加減うんざりだった。もっとも、それは事件ではない。
話がそれた。

その安宿には、そこで暮らしている外国人も何人かいた。
その中の、あるユダヤ系(だったような印象だが)の20代の男がバンクレシートの偽造をしてくれるという情報をつかんだ。
どういうことかというと、当時のカイロ(エジプト)では、合法的に市中に両替商がいて両替ができた。銀行に比べてレートがいいからそのようなマーケットができるわけだが、どのくらい違っていたのか覚えていない。3割くらい違っていたような気がする。仮にそうだとすれば、たとえば200円の定食が140円くらいになるということだし、20万円のエアーチケットだったら、14万円で済むことになる。
カイロの町中で「世界標準よりも全体的に3割引」というのはそれでやり取りが成り立ち問題はないのだが、どっこい、国際的にやり取りをするエアーチケットの値段はぐしゃぐしゃになってしまう。というわけで、エアーチケットを買うには「銀行で両替したお金です」という証明が必要だった。つまり、国際線のチケットを買うには、その額面分の銀行で両替したレシートを提出しなければならなかった。
時効なので告白するが、僕はホテルに住んでいる彼に偽造を頼み、そのニセのバンクレシートでチケットを買った。事件を起こしたのは僕です。エジプトエアーさん、すいませんでした。(よい子の皆さん、決してまねをしないでくださいね)

で、その偽造屋がホテルに戻るのを待って、彼の部屋に相談に行くと……

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