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「キャパにとってのカメラ」 [カメラマンになる周辺など]

カメラマンという仕事をし始めた頃、何かにとっても悩んだことがあった。なんのことだったかもう思い出せない。その頃とっても世話になっていたデザイナーのKさんに相談した。(足を向けて眠れない人のひとり。足を向けて眠れない方向がたくさんある)Kさんは事務所に積んであった中から探して、ある本の1ページをコピーして僕にくれた。それが「キャパにとってのカメラ」という小文だった。そのコピーは今も手帳に挟んである。(出典を知っている方があったら教えていただきたい)

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「キャパにとってのカメラ」

自分に見合った道具ひとつさえあれば、
夢や行動はそこからいくらでもひろがってゆく。
物に使われるよりも、
何かを自分の創造力のまかすままに使いこなす方が、
人はもっと自由になることができる。
例えば、写真家のロバート・キャパ。
彼の人生をユーモアたっぷりに綴った『ちょっとピンぼけ』によると、
彼は、おおよそプロの写真家らしくない人物だったという。
何しろ、室内でのフラッシュの使い方も知らないし、
新機種のカメラを使うこともできなかった。
いつでもどこでも、ただ、押すだけ。
絞りもシャッター・スピードも成り行きまかせで、
作品の出来は、偶然性にかけていた。
それでも彼がカメラを選んだのは、
カメラを手にすることによって、
世界中を旅することが出来たからだ。
彼にとってのカメラは、『旅と冒険』という少年のような思いを、
現実のものに変えてくれる魔法の道具だったのだ。
だから、むしろ余計な技術や大きな機械を抱え込むと、
自由に身動きがとれなくなるだけだった。
彼は時として、使い物にならないような
ピンぼけの写真を通信社に送りつけることもあった。
カメラを手に実際に現場まで行くことで
彼の望みは既に果たされているのだから、
その後はどうなろうがおかまいなしなのだ。
ーー手のひらに乗るような小さなカメラから、
思いが無限にひろがってゆくままに自由に生きたキャパ。
夢のかたちがはっきりとしていれば、
生活に必要な物はそれほど多くはないということを、
彼は誰よりもよく知っていたのに違いない。

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(出典が判り次第記載いたします)

言葉は不思議だと思う。
それにしても、引っ越し荷物が多いので、哀しい。
荷物の重さはカルマの重さだと何かに書いてあったやに・・・。

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