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テニスコートのローラー [いろいろ思うこと]

中学から高校の途中までテニス部にいた。今思い出しても「テニス」はあまり似合わなかった。それはさておき、練習のあとには荒れてしまったコートにブラシをかけてならし、その後ローラーをひいてコートを絞める。中学の頃はどうだったか忘れたけれど、高校ではそれは1年生の役割だった。電車の都合もあって最後までいないで帰ったりもしたので、実際にはあまりローラーを曳いてはいないかも知れない。それに毎回かけた訳でもなかった。
ローラーは曲がる。あんな大きく重い円筒形のものが案外とまっすぐ曳けない。コートの反対端までいって振り返ると、ローラーの跡がぐにゃぐにゃに蛇行していて、なんというか、がっかりする。真っ直ぐ、まっすぐと意識してやるのだが、どうしても曲がってしまう。
ある時こんなことをしてみた。コートの廻りに張られているボール止めの緑色の金網のある一点を見て、そこだけを凝視してローラーを曳いた。そうしたら、振り返ったそこにはすっきりとした直線が残った。美しいと思った。
簡単なことだった。ある一点を見つめてそこに向かえば、真っ直ぐ進む。自分が歩いてきたところを、今歩きながら「真っ直ぐ」かどうかを見極めるのは難しいと思う。向かうところあるいは目標を、実は見ていないか、そもそも目標をもっていないことが多いのだろう。このやり方なら真っ直ぐに目標に向かって確実に一歩ずつ近づく。足下ではなく遠くを見ているから、躓いてころんで擦り傷ができたりはするだろうけれど。

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